僕のお気に入りアルバム
(2016追加・今さらながら)

このページでは、以前から好きだったのに今まで載せなかったお気に入りアルバムを紹介します。久しく聴いていなかったのに聴き直したらやっぱり良かったとか、同じアーティストの他のアルバムを紹介したいために、こちらのアルバムを敢えて落としたとか、そんな理由で載せられなかったアルバムたちです。(2016年2月作成)

 [フォーク/カントリー]
  ・Love Is A Gentle Thing/Harry Belafonte
  ・Bluegrass Breakdown/Lilly Brothers
 [ジャズ]
  ・Early Art/Art Farmer
  ・In Person/Bobby Timmons
  ・Hellen Merrill
  ・Ray Charles & Betty Carter
  
[フォーク/カントリー]
Love Is A Gentle Thing/Harry Belafonte

 小学生のころ、同級生のお兄さんが持っていたハリー・ベラフォンテのカーネギーホール・コンサートのレコードを聴かせてもらい、すごく気に入った。その後、フォークソング少年となった僕にとって、ベラフォンテはアイドルの一人となった。このアルバムはたしか高校生のころ、行きつけの中古レコード店(荻窪「月光社」)で見つけ、収録曲が気に入って購入した。このときのレコードは人に貸したまま行方不明になったのだが、数年前にCD化されているのを知って購入。久しぶりに聴いて当時の記憶が蘇り、懐かしさがこみ上げてきた。ちょっと甘ったるいサウンドではあるけど、ガットギターを生かした良質のアコースティックサウンドは心地良いし、ベラフォンテの誠実な歌い方が心を和ませてくれる。
 最初に聴いたカーネギー・ホールのライブ・アルバムも、もちろん僕にとっては忘れられないアルバムで、今も愛聴しているが、こちらは世間一般に名盤として紹介されていることも多いので、ここでは比較的地味なアルバムのほうを紹介することにする。


Bluegrass Breakdown/Lilly Brothers

 リリー・ブラザースを知っている人はほとんどいないかも知れない。ブルーグラス・バンドの中でも、今は忘れ去られた存在かもしれないが、ビル・モンロー&ブルーグラス・ボーイズ、フラット&スクラッグス、カントリー・ジェントルメン、スタンリー・ブラザーズといったオーソドックスな有名ブルーグラス・グループに比しても引けを取らず、ひときわトラディショナルな香りに溢れる名バンドだ。派手な要素が少ないのだが、ともすればテクニック誇示に走りがちなブルーグラスにおいて、兄弟の潤い溢れるハーモニーを軸にした素朴で心温まるリリー・ブラザースのサウンドは今聴いても心が安らぎ、僕にとってはいささかも古さを感じさせない大好きなサウンドだ。
 僕はこのアルバムを大学でブルーグラス・バンドに入ってから知った。このアルバムをキッカケに、リリー・ブラザースが大好きになり、ほどなく来日したときには、コンサートに行ったりイベントに行ったりしたものだ。何年か前にCD化されていることを知り、すぐさま購入したが、今は入手困難かも。


[ジャズ]
Early Art/Art Farmer

 アート・ファーマーのトランペットは地味ながら味わいが深く、音楽性が高いだけでなく、音楽的な幅が広い。そのため、ホレス・シルバーやベニー・ゴルソンとのジャズテットなどのニューヨーク黒人系ハードバップ・バンドの中で活躍する一方で、黒人でありながらジム・ホールやジェリー・マリガンなどの白人系ジャズバンドの中でも素晴らしい個性を発揮する。このアルバムは題名どおり、初期の初々しい演奏を収めたもの。僕の好きな曲がたくさん入っているし、演奏も若さに溢れて気合い一杯だし、サイドメンも好みなので、ファーマーの中では一番好きなアルバム。共演のロリンズもケリーも、元気溌剌、生き生きとしている。昔LPで持っていたが、CDをしばらく前にゲットして、また聴くようになった。  

In Person/Bobby Timmons

 ジャズを聴き始めたころ、ジャズ・メッセンジャーズのアルバムを聴いてボビー・ティモンズのピアノにすっかりシビれてしまった。当時、ティモンズの主要なリーダー・アルバムは入手困難だった(たしか当時、リバーサイド盤が権利の関係で発売できなかったのだったと思う)。それでもメッセンジャーズのアルバムはどこのジャズ喫茶にも置いてあったので、ティモンズ聴きたさに(リー・モーガンもだけど)、「At The Jazz Corner Of The World」や「Like Someone In Love」といったアルバムをリクエストしたものだ。あるとき、当時廃盤だったこの「In Person」を知り合いが持っていることを知り、さっそく借りてそのままずうっと借りていた。やがてこのレコードが再発されたときに自分で買った。その後、ティモンズ熱も冷めて、聴くことなく数十年が過ぎていったが、1年前に格安ティモンズ4枚組CDをゲットして久しぶりに聴いて、再度ノックアウトされた。昔は「This Here Is Bobby Timmons」というアルバムのほうを好んで聴いていたが、今現在はこちらのほうに魅力を感じている。

Helen Merrill/Helen Merrill  

 ヘレン・メリルは僕の好きなシンガーだ。そして素敵なアルバムがたくさんあるが(「ちょっとボサノバ」のページでも1枚紹介した)、やはりこの超有名アルバムは、最高のアルバムだと改めて思う。メリルの歌もいいし、クリフォード・ブラウンのトランペットも最高だが、それだけではなく、若き日のクインシー・ジョーンズの素晴らしいアレンジや、オスカー・ペティフォードの強力なベースとチェロなど、聴きどころが多く、今聴いても古さを感じさせない。このアルバムもずっとLPで持っていたものの、CDをゲットしたのはわりと最近で、どこを取っても非の打ち所がないほどの名演であることを再確認。  

Ray Charles & Betty Carter  

 僕は熱心なレイ・チャールズ・ファンではないし、ベティ・カーターのファンでもない。だけど、このアルバムは大好きだ。20年近く前のこと、当時よく共演していた女性シンガーが、自分のお気に入りのこのアルバムをCD-Rに焼いて僕にくれた。あまり期待しないで聴いた途端、引き込まれてしまった。普段はかなり濃いめに歌うことが多い二人だが、ここでは力を抜いてリラックスして軽やかにデュエットしている。レイが全編ピアノも弾いていて、これがまた粋なこと! バックには趣味の良いマーティ・ペイチ・オーケストラが付く。1曲目が僕の大好きな「Everytime We Say Goodbye」というのも泣けるし、他の曲も僕の好みの曲ばかり。

 
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